レビー小体型認知症
レビー小体型認知症とは?気づくためのポイントは?
アルツハイマー型に次いで二番目に多い認知症と言われており、高齢認知症患者の5人に1人がこのタイプと考えられています。
初期には、アルツハイマー型のような「物忘れ」の症状は現れないことが多いと言われています。
気づくためのポイントは、以下のようなものです。
- 人や虫がいると訴える、空中に手をのばす、壁に話しかける
・・・(幻視) - 症状が急に現れては消える・・・(認知症状の変動)
- 筋肉がこわばって、動きが遅くなる、転びやすくなるなど
・・・(パーキンソン症状)
これらの症状のうち2つ以上に当てはまる場合、レビー小体型認知症が強く疑われます。
また、この3つのうち1つと、「睡眠中、大きな寝言を言う、手足を激しく動かす」(レム睡眠行動障害)といった症状があれば、同じくレビー小体型認知症が強く疑われます。
他に、「うつ症状」、がんこな「便秘」、暑くもないのに「大汗」をかく、といった症状もしばしば現れます。
幻視への対応ポイントは?
- 「幻視を頭ごなしに否定しない」・・・本人には見えていることを受け止めて、まずは「何が見えるか」「何が嫌なのか」といったことをしっかり聞きます。
- 「本人以外には見えないことを伝える」・・(1)を行った上で、「周囲には見えていない」ことを伝えます。「これは幻かもしれない」と本人が気づくきっかけを作ることが重要です。
- 「幻視を見やすい環境を減らす」・・・人形や、ハンガーにかけた上着を人と見間違える、壁の模様や汚れが動物や虫に見える—こうした幻視の原因となるものを家の中から取り除きます。トイレで幻を見る場合などは、照明を明るくすることも効果があることがあります。
- 「視覚以外に注意をそらす」・・・幻視にとらわれている場合、聴覚や触覚など、別の感覚に注意をそらすことも有効。「好きな音楽をかける」「猫をだっこしてもらう」「洗濯物を一緒にたたむ」「散歩に誘い出す」「手や背中をさすりながら話をする」などの中から、患者さんにあった「効く方法」を探してみてください。
薬に過敏なので注意を!
レビー小体型認知症の患者は、さまざまな薬が健常者よりも効きやすいという特徴があります。
特に、幻視をなくすために使われる統合失調症やうつ病の治療薬(向精神薬)の副作用が強く出る場合があります。
この場合は、すぐに、薬の用量や中断について医師に相談されることをおすすめします。
「医師に相談したいんだけど・・・」
レビー小体型認知症について、見分け方や治療方法に詳しい医師を探したい場合は、全国に200か所ほど整備されている「認知症疾患医療センター(問い合わせは都道府県の福祉窓口へ)」や、それぞれの地域にある「地域包括支援センター(問い合わせは市区町村の福祉窓口へ)」の窓口、センターと連携する「認知症サポート医」などに相談されることをおすすめします。