体重管理には食べ物より飲み物の方が重要だと判明
固形物によるカロリー摂取よりも液体によるカロリー摂取の方が体重に与える影響は大きいことが明らかになりました。
「液体と固体のカロリー摂取は両方とも体重変化に関係するが、調査開始後6ヶ月間での体重減少に対する著しい影響は、液体によるカロリー摂取量の減少にしか見られなかった」と語るジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のBenjamin Caballero教授。「液体による摂取カロリーを抑えることは、6ヶ月で0.25kg、18ヶ月で0.24kgの体重減少に結びついた。砂糖を含む飲料では、1日1杯減らすことが6ヶ月で0.5kg、18ヶ月で0.7kgの体重減少につながった。調査対象の7タイプの飲料で、砂糖で甘くした飲料だけが体重変化と顕著なかかわりを示した」
Caballero教授ほかジョンズ・ホプキンス大学・National Heart, Lung, and Blood Institute・デューク大学・ペニントン生物医学研究所・Kaiser Permanente Center for Health Research・アラバマ大学・ペンシルベニア州立大学の研究者らは25歳から79歳までの810人を対象とした18ヶ月間の生活習慣調査「PREMIER trial」で、調査対象者の体重と身長を開始時から6ヶ月、18ヶ月の時点で厳密に測定しました。食習慣の調査は事前通告なしの電話による過去24時間の食事の聞き取り調査によって行われました。
調査では飲料は、砂糖で甘味をつけた飲料(通常の清涼飲料水・フルーツドリンクなど)、ダイエット飲料(ダイエットコーラなど人工甘味料で甘味をつけた飲料)、ミルク(牛乳・低脂肪乳など)、果汁100%のジュース、砂糖入りのコーヒー・紅茶、砂糖なしのコーヒー・紅茶、アルコール飲料の7つのカテゴリーに分けられました。そのうち「砂糖で甘味をつけた飲料」が液体による摂取カロリーの37%で最も多くを占めました。
液体による摂取カロリーは肥満の増加と並行して増加していて、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校による以前の研究では、2015年にはアメリカの成人の75%が過体重あるいは肥満になることが予想されていているそうです。成人人口の3分の2にも影響し糖尿病などのリスクを高める肥満のまん延は清涼飲料水と結びつけられていて、研究者らは減量や体重維持のために成人は砂糖で甘味をつけた飲料の摂取を控えることを推奨しています。
「7つのカテゴリーの飲料のうち、砂糖で甘みをつけた飲料のみ6ヶ月と18ヶ月の時点での体重変化と顕著な関連が見られました」と論文の筆頭著者Liwei Chen医学博士は語ります。「ダイエットドリンクやアルコール飲料の摂取量の変化は体重変化とマイナスの相関が見られましたが、統計学的に有意なほどではありません。今回の調査結果は液体によるカロリー摂取を減らす、特に清涼飲料水での摂取を減らそうという政策や公衆衛生活動の指針を支持します」